住宅ローンを検討するとき、多くの人がまず気になるのは「自分はいくらまで借りられるのか」という点です。 毎月の返済額から逆算する方法もありますが、実際の審査では「年収に対して返済額が高すぎないか(返済負担率)」と 「年収に対して借入額が大きすぎないか(年収倍率)」という2つの視点で上限が決まります。
この記事では、この2つの考え方を使って借入可能額の目安を試算する方法を解説します。
雇用形態・勤続年数・既存の借入状況などの質問に答えると、金額ではなく 「審査で有利になりやすいか」「注意しておきたい点はどこか」を診断できます。
以下の質問に答えると、金額ではなく「審査で有利になりやすいか、注意しておきたい点はどこか」を診断できます。
Q1. 現在の雇用形態は?
Q2. 現在の勤務先(事業)での勤続年数は?
Q3. 他に借入(車のローン・カードローン等)がありますか?
Q4. 過去に返済の延滞をしたことがありますか?
Q5. 直近半年以内に、他のローンやクレジットカードに複数申し込みましたか?
Q6. 毎月の返済額は、年収に対して高いと感じますか?(返済負担率30%超が目安)
返済負担率とは、年収に対して年間の返済額がどのくらいの割合を占めるかを示す指標です。 「年収600万円で返済負担率30%」であれば、年間180万円(月15万円)までの返済額を目安とする、という考え方になります。
返済負担率の上限は、職業の安定性によって変わるのが一般的です。 公務員や大企業の正社員は収入が安定しているとみなされ上限が高めに、 自営業や契約社員は収入の変動リスクを考慮して上限が低めに設定される傾向があります。
| 職業区分 | 返済負担率の上限の目安 | 年収倍率の上限の目安 |
|---|---|---|
| 公務員 | 35% | 8倍 |
| 正社員(大企業・上場企業) | 35% | 7倍 |
| 正社員(中小企業) | 30% | 6倍 |
| 契約社員・派遣社員 | 25% | 5倍 |
| 自営業・個人事業主 | 20% | 4倍 |
| 会社役員・経営者 | 25% | 5倍 |
上の数値はあくまで一般的な考え方を単純化した目安であり、実際の金融機関の審査基準とは異なります。 勤続年数や他の借入状況、物件の担保評価など、実際の審査ではさらに多くの要素が加味されます。
年収倍率とは、年収の何倍まで借りられるかを示す目安です。 返済負担率だけで計算すると、金利や返済期間の条件によっては非常に大きな金額になってしまうことがあるため、 年収倍率という別の上限を設けて、借入額が過大にならないよう調整します。
実際の借入可能額は、「返済負担率から計算した金額」と「年収倍率から計算した金額」を比較し、 低い方が採用されるのが一般的な考え方です。上のシミュレーションでも、この2つを比較して目安を表示しています。
借入後の毎月の返済額をより詳しく確認したい場合は 借入・融資の返済シミュレーションをエクセルなしで行う方法 もあわせてご覧ください。
借入可能額の目安が分かったら、次は「誰の名義で、どのローンを組むか」という借り方そのものも検討しましょう。 単独ローン以外にも、ペアローンや収入合算、贈与税の非課税枠など、 知らないままだと選択肢から漏れてしまいがちな方法があります。
共働きかどうか・頭金の準備状況・金利タイプの希望を選ぶと、 単独ローン以外の選択肢も含めて、検討する価値がある組み方を確認できます。
すでに自動車ローンやカードローンなどの借入がある場合、その年間返済額は住宅ローンの借入可能額から差し引かれます。 既存の借入の返済負担が大きいほど、住宅ローンに回せる返済余力は小さくなるため、 住宅ローンを検討する前に、他の借入を整理しておくことも借入可能額を増やす手段のひとつです。
また、返済の延滞歴がある場合は、実際の審査ではより保守的に判断される傾向があります。 延滞歴がある場合の調整も含めて試算したい場合は、借入可能額シミュレーターをご利用ください。
企業(事業融資)か個人(住宅ローンなど)かを選び、収入や既存借入の状況を入力するだけで、 無理なく返済できる借入の上限額 を試算できる無料ツールです。
ここまで解説してきた借入可能額は、あくまで金融機関の審査に通りやすい金額の目安です。 「借りられる金額」の上限いっぱいまで借りると、生活費や教育費、将来の支出増加に対応できず、 家計が苦しくなってしまうこともあります。
借入可能額を確認したら、実際の返済期間・金利で毎月の返済額をシミュレーションし、 無理なく返済を続けられる金額かどうかを、生活費とあわせて確認しておくことをおすすめします。
住宅ローンの借入可能額は、返済負担率と年収倍率という2つの視点から目安を計算し、低い方が採用されます。 職業区分によって上限が変わる点、既存の借入が借入可能額を圧迫する点を踏まえたうえで、 借りられる金額と無理なく返せる金額を分けて考えることが、住宅ローン選びの基本です。