日程調整は、候補日を決めて確定通知を送り、関係者がその内容を確認したところで、 手続き上は完了したように見えます。しかし、確定と確認は「予定が正しく合意された」ことの証明にはなっても、 「その予定どおりに実施される」ことまでは保証してくれません。
確定してから実施日までの間には、数日から、場合によっては数週間の空きがあります。 その間に何もリマインドを挟まないと、確定したはずの予定が当日になって 「忘れていました」「その日は無理になりました」という形で崩れることがあります。
日程調整は、確定してから実施までの間にも工程があります。 この記事で扱うのは、確定日程の通知・確認の後にある「前日リマインド」の部分です。
水色でハイライトした工程を中心に解説します。
確定通知を関係者が実際に確認したかどうかの記録と再送については 日程調整の確定通知は「送って終わり」ではない 、確定に至る前の未回答者への督促については 日程調整の返信が来ない・追えないときの対処法 で扱っています。本記事は、その先――確定してから実施日までの間の運用を扱います。
日程調整の中で「リマインド」と呼ばれるものは、実は一つではありません。 確定前に未回答者へ送る督促と、確定後に実施日を思い出してもらうための前日リマインドは、 どちらも「もう一度連絡する」という行為は同じでも、目的も対象者も送るタイミングもまったく異なります。 この違いを区別せずに「リマインドをすればいい」とひとまとめに考えると、 本当に必要なタイミングでリマインドが送られないままになってしまいます。
| 項目 | 督促(確定前) | 前日リマインド(確定後) |
|---|---|---|
| 送るタイミング | 候補日を送ってから、確定するまでの間 | 確定してから、実施日の前日ごろ |
| 送る相手 | まだ回答していない未回答者だけ | 確定済みの関係者全員(または一部) |
| 目的 | 候補日への回答を集め、日程を確定させること | 確定済みの予定を当日思い出してもらうこと |
| 送らなかった場合に起こること | 日程がいつまでも確定しない | 確定した予定を忘れられ、無断キャンセルや遅刻が起こる |
督促のタイミングや文面の考え方については 日程調整の返信が来ない・追えないときの対処法 で詳しく解説しています。本記事で扱うのは、表の右側、確定後の前日リマインドです。
確定通知を確認した時点では、関係者は間違いなくその予定を認識しています。 問題は、その認識が実施日まで維持される保証がないことです。
確定した直後は覚えていても、実施日までの間に別の案件や日々の業務が積み重なると、 確定済みの予定は記憶の中で徐々に優先順位を下げられていきます。 特に確定してから実施日まで日数が空く案件ほど、この傾向は強くなります。
社内の定例会議であれば、日常的に予定を意識する機会があります。 一方、年に数回しか接点のない外部パートナーや、面接候補者、商談相手のように、 自社との予定が「数ある予定の一つ」でしかない相手ほど、確定済みの予定は他の予定に埋もれやすくなります。
確定と確認の記録があっても、実施直前のひと押しがなければ、次のような問題が起こります。
確定したことを本当に忘れてしまい、当日になって連絡もないまま予定が流れてしまうケースです。 主催者側は準備を整えて待っているにもかかわらず、相手が現れないまま時間だけが過ぎてしまいます。
完全に忘れてはいなくても、直前になって「そういえば今日だった」と気づき、 移動や準備が間に合わず遅刻したり、必要な資料を用意できないまま参加したりするケースです。 無断キャンセルほど深刻ではありませんが、商談や面接の場では相手に与える印象を損ないます。
確定済みの予定を忘れたまま、その時間帯に別の予定を入れてしまうケースです。 本人の手帳やカレンダーへの反映が漏れていると起こりやすく、 後から気づいても、どちらか一方には予定変更の連絡をしなければならなくなります。
ここまでは関係者側が忘れるケースを見てきましたが、前日リマインドには、 送る側が「送り忘れる」というもう一つの落とし穴があります。
前日リマインドは、確定通知のように「確定した瞬間に送る」ものではなく、 実施日が近づいたタイミングで、あらためて送るという行動そのものが必要です。 つまり、主催者側が「明日はどの案件が実施日か」を思い出し、そのタイミングで送る、という手順を 自分で覚えておかなければ発生しません。
案件を1つか2つしか抱えていなければ問題になりにくいですが、 複数の案件を並行して抱えていると、確定日程はそれぞれバラバラになります。 「今日、明日が実施日の案件はどれか」を都度思い出す作業自体が、 新たな確認漏れの温床になります。
候補日を作る前の関係者ごとの情報整理については 日程調整の候補日を作る前にやるべき「関係者管理」 でも扱っています。前日リマインドも、関係者ごとの状況を把握できていて初めて、 誰に送るべきかで迷わずに済みます。
複数人の日程調整では、全員が同じ日時に確定するとは限りません。 候補日を1つに絞って全員で共有する「共通モード」だけでなく、 関係者ごとに別々の日時で確定させる「個別モード」もあります (詳しくは日程調整のFIX(確定)方式についてで解説しています)。
個別モードでは、Aさんは1月10日14時、Bさんは1月12日10時、Cさんは1月15日16時、 というように、関係者ごとに確定した日時が異なります。 このとき、前日リマインドを手作業で送ろうとすると、担当者は一覧やExcelを見ながら、 一人ずつ「誰に」「いつの日時を」書くかを確認し、コピー&ペーストしながらメールを作成することになります。
この作業は、関係者が数人であれば大きな問題になりません。 しかし人数が増えるほど、コピー&ペーストの過程で日時を取り違える、 別の人の日時をそのまま貼り付けてしまうといった転記ミスが起こりやすくなります。 しかも、この種のミスは「間違った日時を伝えてしまった」という、 リマインドを送らなかった場合よりもかえって悪い結果を招きかねません。 関係者が信じて動いた日時そのものが誤っているため、当日になって初めて食い違いが発覚するためです。
確定日程が全員同じであれば手作業でも大きな事故にはなりにくいですが、 関係者ごとに日時が異なる個別確定の運用では、人力での転記作業そのものがリスクの発生源になります。 一覧に保持されている確定記録から、その人の日時を機械的に呼び出してリマインドできる仕組みでなければ、 人数や個別確定の件数が増えるほど、事故が起きる確率も比例して高くなっていきます。
前日リマインドをメールの手作業だけで運用しようとすると、 「明日実施の案件を思い出す」「関係者の宛先を確認する」「文面を用意する」「送る」という工程を、 案件が増えるたびに繰り返すことになります。件数が増えるほど、抜け漏れが起きやすくなるのは自然な結果です。
重要なのは、確定済みの案件と、その関係者の連絡先が、送信のたびに一から確認し直さなくても すぐに参照できる状態になっていることです。確定通知や督促と同じように、 前日リマインドについても、案件ごとの一覧から誰にでも同じ操作で送れるようにしておけば、 担当者の記憶力に依存する部分を減らせます。
Pushule(プッシュール)では、確定済みの案件ごとに関係者の一覧と、それぞれの確定日時が保持されており、 その一覧から前日リマインドを送信できます。文面をあらためて考えたり、 宛先を1件ずつ確認したりする必要はなく、関係者全員へ一斉に送ることも、 特定の関係者だけを選んで個別に送ることもできます。 共通モードで全員の日時が同じ場合はもちろん、個別モードで関係者ごとに確定日時が異なる場合でも、 一覧に保持されているその人の確定記録をもとに送るため、 担当者が日時を手で転記し直す必要がなく、宛先と日時を取り違えるリスクを抑えられます。 確定通知・確定確認と同じ一覧上で完結するため、 「どの案件の、誰に送るべきか」を別途調べ直す手間もかかりません。
日程調整は、候補日を決めて確定し、関係者が確認したところまでで、業務上は一区切りついたように見えます。 しかし、それは「合意できた」という証明であって、「実施される」ことの保証ではありません。
確定から実施日までの間に前日リマインドを挟むことで、無断キャンセル、遅刻、ダブルブッキングといった 当日のトラブルは大きく減らせます。あわせて、リマインドを送る側が「送り忘れる」ことのないよう、 案件と関係者の情報をいつでも参照できる状態にしておくことが、日程調整全体の確実性を高める鍵になります。