PostgreSQLとMySQLの違い|どちらを選ぶべきか

「WebアプリのDBはPostgreSQLとMySQL、どちらにすべきか」——この質問は、実務でも非常によく聞かれます。どちらもオープンソースで無料、どちらも世界中で広く使われているRDBという点は共通していますが、細かな設計思想には違いがあります。

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基本的な立ち位置の違い

MySQLは、Web業界で圧倒的なシェアを持ち、WordPressをはじめとする多くのCMS・OSSの標準DBとして採用されています。導入事例が豊富で、レンタルサーバーでも標準対応していることが多く、「とにかく動かしやすい」のが強みです。

PostgreSQLは、SQL標準への準拠度が高く、機能面での拡張性に優れています。複雑なクエリ、JSON型の柔軟な扱い、独自のデータ型や拡張機能(PostGISによる地理情報処理など)を活かしたいシステムで選ばれる傾向があります。

体験|同じ検索語で、結果が変わるか試す

実際に手を動かして確かめてみましょう。以下のデモには、あらかじめ「Tanaka」「Sato」「Suzuki」という3人が登録されています。名前を入力して検索し、大文字・小文字を変えると結果がどう変わるかを確認してください。

体験デモ|同じ検索語で、結果が変わるか試す

PostgreSQLMySQLで名前を検索する

次の3人が登録された会員リストがあります。名前を入力して検索し、見つかるかどうかを確かめてください。

Tanaka Sato Suzuki
PostgreSQL
左の入力欄に名前を入れて検索してください
MySQL
左の入力欄に名前を入れて検索してください

「tanaka」のように、登録名(Tanaka)と大文字・小文字が違う状態で検索してみてください。

登録名と完全に同じ「Tanaka」で検索すれば、どちらのDBでも見つかります。しかし、小文字の「tanaka」や大文字の「TANAKA」で検索すると、結果が割れたはずです。MySQLは初期設定のまま大文字・小文字を区別せず見つけてくれますが、PostgreSQLは初期設定では完全に一致しない限り見つけてくれません。同じ作りの検索機能でも、使うデータベースによって「見つかる・見つからない」が変わってしまうということです。表記ゆれに強い検索を作りたい場合、PostgreSQLでは別途対応が必要になります。

データの保存方法にも違いがある

検索の挙動以外にも、実務でよく話題になる違いがあります。

1つは、項目数がバラバラなデータの扱いです。例えば、ECサイトで商品ごとに「色」「サイズ」「素材」など持たせたい項目が違う場合、PostgreSQLはこうした柔軟なデータ(JSON型カラム)を専用の仕組みで高速に検索できます。MySQLも同様の機能を持っていますが、複雑な条件で検索したいときの書きやすさはPostgreSQLに一歩譲ります。

もう1つは、「あれば更新、なければ新規登録」という処理(UPSERT)の書き方です。この処理自体はPostgreSQLもMySQLも1回の命令でまとめて行えますが、命令の書き方がまったく異なります。そのため、開発の途中でデータベースを乗り換える場合は、この部分を書き直す手間とコストがかかる点は覚えておくとよいでしょう。

PostgreSQLが向いているケース

MySQLが向いているケース

実務で意識したいポイント

機能面だけで見るとPostgreSQLの方が高機能に見えますが、実務での選定はそれだけで決まりません。チームの習熟度、利用予定のフレームワークやホスティング環境との相性、運用実績を含めて判断するのが現実的です。

ORMを使う場合は、 DBを柔軟に設計できるWebアプリ開発 で触れているように、DB固有の構文差をORMが吸収してくれる範囲も考慮に入れると、移行のハードルはある程度下げられます。

まとめ

PostgreSQLとMySQLは、どちらも実務で通用する堅実な選択肢です。機能の豊富さ・SQL標準準拠を重視するならPostgreSQL、実績の多さ・環境の対応幅を重視するならMySQL、というのが大まかな判断軸になります。

すでに何かのフレームワークやホスティング環境が決まっている場合は、そちらとの相性も忘れずに確認してください。

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